ボディーショップ・オギでの旧車の事例をご紹介するページ、今回は【いすゞ 117クーペ】です。
静岡県から県境を超えてはるばる入庫した117クーペ。車検が切れて大分経っていたので積載車に乗せてお持ち込み頂きました。遠いところからありがとうございます。
お客様のご依頼は、車検とハンドルの電動パワーステアリング化です。
117クーペパワステ取付
XE以外の117クーペの純正のハンドルは現行の国産車のようにパワーステアリングが付いおらず、ハンドリングが重いです。当店ではそんなハンドルまわりのお悩みを解決するため、電動パワステ取付加工を行っています。「旧車を楽しみながら乗り心地も諦めなくて済む」と過去に施工させて頂いたお客様からも好評なメニューです。
ベレットに取り付けた事例はこちらのページでご紹介しております。なおベレットは当店所有の車両なので、お客様に実際の施工例として直接現物をご覧頂けます。
ステアリングシャフトを取り外し、パワステモーターを装着したところ。
配線がごちゃごちゃしないようにすっきりと配置していきます。
※純正ステアリングは、構造上使用出来なくなりますので、社外のステアリングを取り付けることになりますが
ウインカースイッチなどスイッチ類は、純正のものを引き続き使用出来ます。
こちらは117クーペのエンジンルームの写真です。赤いコードがぐるりと回りこむように設置されているのがお分かりでしょうか。この赤いコードはパワステ化するにあたって電源用に必要な追加の配線です。
ハンドルまで取り付けた状態がこちら。
今までに比べてハンドリングがかなり軽くなったと思われます。現行車は据え切り(停車したままハンドルを回すこと)が簡単にできますが、パワステが付いていない車だとこれはほぼ不可能です。
こちらの117クーペもパワステが付いたので、据え切りが出来るようになりました。
写真のハンドルは、市販のハンドルです。パワステ加工後はもともと付いていた純正ハンドルが使用出来なくなります(ボス部が変わる為)。今回はお客様のご希望で、木目Φ37.5(純正とほぼ同サイズ)のハンドルを装着しました。
標準でレザーのΦ35の社外ハンドルをご用意しています。お客様にてご用意頂いたお好みの社外ハンドルがあれば、そちらを装着することも可能です。(汎用品に限る。ナルディータイプ、モモタイプ等)
117クーペ車検のための整備
続いて車検のために各部を点検していきます。しばらく乗らずにいたということで、いくつか整備が必要な箇所が見つかりました。写真はプロぺラシャフトです。受け金具のゴム部分が劣化してひび割れてきていたので交換を行いました。
また、オイル漏れを起こしていたリヤデフホーシングのシャフトのオイルシールも交換しました。
固着してしまっており、取り外す際に変形が必要でした。
工程の最後に、ゴムが劣化していたのでタイヤ交換と、ボディのエクボにデントリペアで修理を行いました。
車検完了
パワステでハンドルも付いて無事に車検に合格し、現役車となった117クーペです。
お持ち頂いた時は積載車の上でしたが、お帰りの際は元気に自走されて行きました。
試運転時に「ハンドルの扱いが楽になった…!!ハンドルが重いのが気になってほとんど乗らなくなっていたけど、今度からは乗りたい」とお客様にお喜び頂けた様子がとても印象的です。
静岡からお越しなので片道4~5時間ほどの道のりとなりますが、無事にご自宅まで到着出来たとお電話がありました。
この度はありがとうございました。