ボディーショップ・オギでの旧車の事例をご紹介するページ、今回は【日産 フィガロ】です。
修理前の状態
長野県茅野市からご入庫の日産フィガロH3です。
サビがあちこち侵食しているということで、全体的な板金修理のご依頼です。
拝見したところ、特にリヤフェンダーの腐食がひどく、ホイールアーチの形が半分しか残っていないません。リヤバンパーもコーナー部は形がなくなっている状態でした。
全体的に外観を再生し、内装の修復も同時に進めていきます。
実際の作業
リヤフェンダーとホイールハウスなど、腐食により元の形がない面積が大きいパーツは、まずは大まかに鉄板を溶接し、形状をおおまかに再現します。
その後パテを使用し、ボディとのつながりや曲面を整え、一体化させていきます。違和感が生まれないように細部まで形状の調整を繰り返すため、時間のかかる工程です。
ボンネット、左右ドア、バンパー、フロントフェンダーなど、細かいサビやヘコミが多数みられるものの、もとの形状を維持しているパーツは、車体から取り外して、塗膜が浮いている箇所やはがれている箇所を丁寧に取り除き、塗装が行える状態になるよう下処理をしていきます。
これらは同色のエメラルドグリーンに再塗装です。
車体内部の見える部分、トランク内部やエンジンルームも再塗装しています。
お客様からは、メッキ部分の再生のご要望もうかがっておりましたので、フロントライトとリヤテールアンプの枠、グリル、バンパーモール類のクローム塗装を行っています。
クローム塗装はクロームメッキとよく似た外観になる塗装ですが、メッキではありません。
本来、メッキは金属基材上でしか行えませんが、今回のような再塗装の場合、ヘコミやキズの修復も同時に必要となることが多いです。その際に非金属のパテを基材に使用するため、代替手段としてメッキ塗装が有効であると言えます。
室内では、全席シートレザーの張り替え、ダッシュボードのひび割れ修理を行いました。
ダッシュボードのひび割れは数か所みられ、メーター部をすべて取り外してからパテで成形後、レザーを張っています。
↓修理前
↓修理中
↓修理後
リヤガラスの窓枠部のフレームもさびて穴が開いていたので、取り外し、鉄部を溶接加工し。その上にルーフと同色のレザーを張り直しました。
キャンバストップ(オープンになるタイプ)のルーフも張り替えます。
修理完了
2021年12月~翌年8月まで約8か月間のお預かりでした。
サビサビの状態から、ご予算内で出来るだけ新車時に近い仕上がりを目指し、作業を行わせて頂きました。
この度はありがとうございました。