バナナオートでの車の修理の事例をご紹介するページ、今回は【走行中「ゴー」という異音の原因】です。
うるさいタイヤを履いている訳でもないのに、走行中に「ゴーーー」と車体の下の方から聞こえてきたら注意。事故につながる異変が発生している合図かもしれません。ゴーという足回りの異音を引き起こす原因と対策、放置すると起こることを記事にしました。
「ゴー」音が発生する原因のひとつ ハブベアリングの異常
危険な異音は沢山ありますが、走行中に足回りからゴーーーと聞こえてくるときは主に以下の原因が考えられます。
〇ハブベアリングがガタついている
〇ハブベアリングの摩耗
※ハブベアリングとは…ホイールは中心部を何本かの大きなボルトで取り付けてありますね。このボルトをハブボルトと言い、ハブボルトが付いている土台がハブという部品です。その中にあるベアリング(回転するための部分)がハブベアリングです。このハブベアリングにドライブシャフトが接続されていることで、タイヤが安定して回転しつつ車体を支えていられます。
ハブベアリングのがたつき(小諸市 シボレー MWの例)
小諸市からのお客様のシボレーMWです。
走行中、車体の下部から音がするとのご相談で、足回りを調べると左側のフロントタイヤにがたつきが見られました。
タイヤががたつく原因は複数ありますが、その一つが今回扱うハブベアリングのガタつきです。
一般的にここにガタが出る原因は、多走行による摩耗の他、縁石などへの衝突が挙げられます。
よく見られる不具合ですが、そのまま放置して症状がひどくなると、ハンドルがブレたり振動が発生し、不安定な走行につながりとても危険です。最悪、ベアリングが焼き付きを起こすまでに至ると突然走行不能に陥ってしまい、道路の真ん中で動けなくなってしまうこともあり得るのです。交通量の多い道路や、高速道路で起こったらと思うと怖いです。
めったにないですが、タイヤがスポッとはずれ飛んでいくこともあります。特に前輪がはずれてしまうと、完全に操縦不能に陥ります。
大事故を未然に防ぐためにも、症状が軽いうちに修理して頂くことをおすすめします。
写真はMWから取り外したハブベアリングと、新しく取り付けるもの。ガタガタするようになったベアリングを抜き取り新しいベアリングと交換しました。
ハブベアリングの摩耗(千葉県 トヨタ bBの例)
千葉からお越しのお客様のbBです。
こちらも異音の症状があった為足回りを調べてみると、ハブベアリングがすり減ってしまっていました。
手動でタイヤを回転させるとゴロゴロ感があり、スムーズに回転しない感触があります。
多くの場合、ハブベアリングのすり減りを放置するとガタつきの原因となります。
外部的な衝撃だけでなく、長期使用による劣化も、ガタつきを生んでしまうのです。
ガタつきの項目でお伝えしたように、とても危険な事故につながりかねない状態です。ガタついたから交換の目安ではなく、異音が少しでも発生したら早めに交換をご検討ください。
bBはベアリングだけでなくハブごと交換することになりました。(車種により異なります。ベアリングのみの交換が可能な車種だと、部品代も抑えられます)
しかし、ボルトが固着してしまっており、かなり外れにい状態になっていました。長期間交換を行わない車両で起こりやすいのですが、こちらのbBのハブベアリングが耐えたのはなんと20万キロ以上という長い走行距離です。
定期的な点検と早めの交換を
ハブベアリングはほぼ常時高速で回転する部品なので、タイヤゴムやブレーキパットと同様、消耗品扱いです。10万キロ前後で音が発生し交換される事例が多いです。車によっては6万キロ程度でも注意が必要です。
ちなみに先ほどのMWの走行距離は約10万キロです。
なぜ音が発生するまでにこれほどの距離の幅があるかというと、使用状況(悪路がメインか街乗りがメインか、峠などのカーブが多いか、メーカーによる作りの違い)などからの影響がとても大きい為です。
定期的に点検を行い、適切な時期にアブベアリングを交換することで、大きなトラブルを防ぐことができます。
音は気が付きやすい異常の合図ですから、気になることがありましたらお早めに点検をご利用ください。
人間の病気と同じで、小さな異変のうちに対処すると修理も簡単なもので済むので、出費も抑えられます。深刻な異常が発生するまで放置してからだと、複雑な修理が必要となるので、工賃も大きくなる傾向にあります。